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マタタビ雑話

平成25年6月30日(日)の日記。
 お寺にもお遍路にも関係のない投稿ですが、
 門前の小僧の好きな薬用植物のちょっとおもしろい話しです。
     おもしろくナイかもしれない・・・


優しくしてくれた叔母の3回忌墓参とて、近郊の山道を疾走中、
ナビゲーターが、葉先を真っ白に化粧した「マタタビ」を見つけました。
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昔から「猫にマタタビ、お女郎に小判」と云いますが、
確かにマタタビの実を食したネコ(ネコ科動物)の恍惚ぶりはすざましいものがあります。

疲れきった旅人がマタタビの実を食べて元気百倍、<また旅>を続けたという語源説、
また昔から強精薬だとも云われますが、これはいささか眉唾ですからご注意を!
余談ながら、渡世人を主人公にした時代劇を<股旅>物と云うがコレとは無関係。

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薬用植物を盆栽にして悦に入っいてた頃、撮った私の「マタタビ」の花
  

初夏、白梅を思わせるような芳香性のある5弁の花のつぼみの頃から開花期にかけて
葉先3分の2ほどがまるで白い花が咲いたように変色するので遠くからでも目立ちます。

葉先の化粧を待ちかねたように花の子房にマタタビアブラムシという小さな昆虫が産卵する。
葉先の変色が「さあ~マタタビアブラムシさんいらっしゃい。」と、
          言わんばかりのシグナルは、自然のなせる絶妙の摂理なのでしょうか。

卵を産みつけられた子房は正常な果実になれず異常発育して虫こぶ状になる。
(1枚目の写真の黄緑色の実が虫こぶ状になった子房)

10月頃、虫こぶを採取して熱湯を注ぎ、中の幼虫を殺して日干し乾燥する。
これを生薬名「木天蓼(もくてんりょう)」と称し、薬用に利用します。
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虫こぶの実の乾燥品(木天蓼:左)  虫こぶでない実の乾燥品(右)は薬用にならない 

【成 分】マタタビ酸・マタタビラクトン・アクニチニジンなど
【用い方】
 木天蓼100㌘にグラニュー糖100㌘を加え、ホワイトリカー1,8㍑に3ヶ月漬込む。
 漬込み後、布ごししてできたマタタビ酒は、冷え性・神経痛・疲労回復によいとされる。
  (用法・用量は薬事法に抵触しますので省略します。)

【参考文献】
  伊澤一男著 「薬草カラー図鑑」  主婦の友社発刊
  拙書      「愛媛の薬用植物図鑑」 愛媛新聞社発刊 
【注意】
  マタタビは薬効成分を含む食品(非医薬品)ですが、
  用法・用量等は薬剤師・登録販売者に相談のうえご使用下さい。

【お断り】
この記事はいかなる企業・個人とは無関係であり、広告宣伝を意図するものではありません。
                                 - 門前の小僧 -   
  
Commented by 桃 ぶどう at 2013-07-05 21:55 x
>虫こぶを採取して熱湯を注ぎ、中の幼虫を殺して日干し乾燥する。
>これを生薬名「木天蓼(もくてんりょう)」と称し、薬用に利用します。

多分山などで目にしていると思いますが、初めて知りました。
とても興味深い話でした。
マタタビは何かの根っこを乾燥したものと思っていました。
実になれなかった実が薬用になるなんて、おもしろいですね^^
Commented by jh5swz at 2013-07-06 19:40
桃さん
 おもしろ可笑しい日記を書く心算でしたが・・・、
ちょっとマニアックな記事になってしまいました。
 <興味深い話>と助け舟をありがとうございました。

 今日は坂本屋のお接待当番日。
 秋田小町さんが今年一番の暑さの中ちょっと一服、
話しが弾んだことでした。
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by jh5swz | 2013-07-04 20:13 | その後のつれづれ絵日記帖 | Comments(2)