別格7番 金山出石寺

平成27年 1月26日(日)の日記 (その2)
 幻の四国霊場第37番 大黒山 吉蔵寺をあとに、
 いよいよ標高820m、山頂の別格霊場第7番出石寺へ出発します。


 「出石寺」は、一般的に「しゅっせきじ」と呼ばれますが、
 私たち地元の者が、
 霊場43番「明石寺」を「あげっさん」と呼ぶように、
 この寺に親しみを込めて「おいずしさん」と呼びます。
 <以下、本文中のおいずしさんは出石寺のローカル呼称であることをお断り致します>

 同行足立さんのアッシー君を買って出たまではカッコよかったのですが、
参拝ルートとその道路状況には大いに不安があり・・・、
かって5年半かけて一緒に歩き遍路をした地元の矢野さんに前以て電話でご相談、
登り口の日土町でお会いしてレクチャーを受けることになっていました。

 八幡浜市内から車で約10分、
09:10 指定された日土小学校校門で待機、程なくご対面!

 せっかくですからと、
   先般、国の重要文化財になった小学校を案内して頂きました。
   国の重文「日土小学校」の詳細は⇒「日土小学校と松村正恒展」をご覧下さい
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    校舎はすべて木造で、
    裏を流れる小川へせり出した廊下代わりのデッキがこの学校の特徴です。

 出石寺へのルートについて、
 県道28号を登るより、矢野さんの自宅前を通る道の方が短くて楽とのこと、
 「郷に入れば郷に従え」、ナビは電源OFF。
 
「今年はまだおいずしさんへ初詣をしていないので同行させて下さい」とのこと。
大変心丈夫なお先達さんができて大歓迎!、まずは矢野家を(手ぶらで)初訪問。
f0213825_8144326.jpg  立派に表装された88ケ寺のお軸が架かる
 座敷で美味いコーヒーのお接待を受けながら、
 四国霊場から高野山への楽しかった5年半の
 思い出話しが弾みました。

  座敷の窓越しに
 「あの山の山頂がおいずしさんです」
  アチャ!出石寺は矢野家の裏庭であったか!
  
  お四国参りが終わっても、こうしてお付合い
 頂く幸せをしみじみ感じたひと時でした。
  その上、お土産に伊予柑を2箱もお接待頂き
 恐縮の極み。


 (画像は結願寺の記念写真からスキャン転用)↑

 さて、矢野さんご夫妻のお先達よろしくおいずしさんお参りに出発。
 静かな山里の集落をあとに、かなり曲がりくねった山道を爆走?約30分。




10:05 別格7番出石寺駐車場到着、境内のそこかしこに雪が残っていました。
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      写真中央、こんもり茂った木立の向こうに↓
   振り返れば、見上げるような大きなお大師像が。
        パッと見でお大師さんの身長は4m50cm?、妙に錫仗が細い・・・。
         参拝者向きではなくて出石寺本坊に向かって立って居られるのが???
         出迎えではなくて、見送り姿なのかなあ~~~

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                      左の鳥居は熊野権現大社

標高820mの霊峰に建つ金山出石寺は真言宗御室派別格本山の古刹で、
本坊はここから100段以上(あったと思う)石段を登った山頂にあります。
  石段左右に地元信徒有志、篤志家の寄進石柱が屏風の如くびっしりと並びます。
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10番切幡寺、71番弥谷寺の石段を思い出しながら・・・
       やっと鐘楼を兼ねた仁王門が見えました、
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阿吽の仁王様の出迎えに、鐘を打って御礼を申し上げました。
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     よくある金網や格子戸がないので雨風に打たれ苔色の衣を纏っておわします。

出石寺境内は山頂に向かって三段の敷地になっており、
一段目には本堂かと見紛うほどの立派な護摩堂、客殿、お納経所などがあり、
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              一階の屋根は唐破風のようで二階は和風? なんと称する建築様式だろう???
 因みに、これは(大師堂の庭から撮影した)二階の屋根を支える垂木の骨組みです
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護摩堂から更に40段ほどの石段を登ると
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かなりの広場に大師堂があり(奥に本堂)
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さらに20段ほど登った標高820mの文字通り霊峰に本堂がありました。
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          山頂は八幡浜市と大洲市の境界にありますが、
           本堂は大洲市側に建っているので、住所は大洲市長浜豊重乙1 となっています。
           香川県の雲辺寺の住所が徳島県三好市みたいなものでしょうか。


出石寺は瀬戸内海国立公園に指定された区域内にあり、
   その本堂から豊後水道(川之石湾)がきれいに見えました。
        もっと天気がよければ遥かに九州までもが見えるとか。
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        ちょうど真ん中の大杉が落雷で消滅してよく見えるようになりましたと矢野お先達からのウラ話し。
            確かに火災から再建当時は四方の眺望が素晴らしかったと聞いていましたが、
            今は大木に囲まれて360度絶景とはいかないようです・・・  
                      欲を出してはいかん、いかん!


f0213825_16543547.jpg  本堂の前庭にあった
  周囲が八角形の丸い用水?
  薄氷が張っていました。

  いろいろ検索してみたら
  五右衛門風呂釜利用らしい、
  防火用水かな?







本堂の参拝を終えて、下段の大師堂へ下ります。
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大師堂お納経(左上、本堂)
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その大師堂前の広場に
出石寺開創の由縁たる「お手引き鹿」銅像がありました。
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                  うしろの「牛」の由縁は? 勉強しておきます・・・

寺縁起です。
f0213825_1712156.jpg 寺伝によれば、
 奈良時代初期の養老2年(718年)6月18日、
 宇和島郷の猟師・作右衛門が鹿を追いかけてこの山に分け入った、
 鹿は消えて暗雲が垂れ込め山中に地鳴りが響き渡った。
 鹿が消えた岩が割け、
 そこから金色に輝く千手観音が姿を現したという。
 作右衛門は殺生を生業とする猟師という職業を悔い改め仏門に帰依し、
 名を道教と改め、この地に堂宇を建立したという。

 この千手観音像が50年に一度御開帳されるという秘仏らしい。

 


大師堂から見て、右から
 仁王門・納経所(庫裡?)・客殿・護摩堂。
開創以降、何度も火災に見舞われたらしい・・・
直近の記録では昭和16年(1941)の大火で伽藍が焼失、昭和31年(1956)に復興した、とあり、
険しい山頂に建つお寺を守り支えた檀家、信徒、篤志家皆さんの熱意に思いを馳せたことです。

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客殿の玄関
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 前庭の切り株は?
 調べてみると、「弘法大師のお杖杉」
 と言い伝えられている千年杉の一部で、
 これで原型の五分の一だと云う。

 残りの五分の四を加えて
 全形を想像してみたが、「ナヌ!!!」
 





大変立派な客殿
 別格霊場HPによると、<宿泊 約300人(要予約)>と書いてありました。
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是非とも見ておきたい銅鐘を探して、もう一度護摩堂へ
 敷地70坪、総欅造りだとか・・・
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遥拝にあった朝鮮鐘と呼ばれる銅鐘<国の重要文化財>
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    高麗王朝の時代に朝鮮半島で鋳造されたものらしく、
    装飾、音響など梵鐘としてほぼ完成の域に達している、と銅版に記してある。
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    「豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に武将・藤堂高虎が持ち帰り、この寺に寄進した」
      と、聞いたことがあるのだが、
      思わず「返さんでもええんやろか?」と思った・・・
   
お納経を受けて
f0213825_937434.jpg      四国霊場開創1200年記念の御姿
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    決してスタンプラリーやシール集めをやってるワケではないのだが、
           別格寺の御姿も趣きがあっていいなあ~~~


お納経所脇にあった看板
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  四国ぼけ封じ33観音第18番札所
  108観音霊場
  弘法大師巡錫伊予21番霊場19番札所
  四国別格21霊場第7番札所
  う~~む
  数々の霊場・札所である古刹なのだ。

  約1時間の境内滞在中に
  スレ違った参拝者は
  15人を越えていましたから
  さすが~「おいずしさん」の感あり!
  




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 お納経を受けるあいだ気になったので
 ご住職に聞いてみると
 平成29年春、
 この寺は開創1300年なのだそうです。

 大師堂広場にあった寺縁起でも
 奈良時代の養老2年(718年)開創とあり、
 平成29年(2017年)は計算も合います。

 悪行を犯さなければ
 人間続けているであろうからして
 大祭には是非とも参拝しよう!
 
 





お納経所の対面には食堂があり、うどんが美味しくて名物だそうです。
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 霊場の境内に「うどん屋」さんがあるのも珍しく、ここで昼食の計画でしたが、
 11時前に参拝が終わり下山しましたので、ちょっと残念・・・です。
       (画像は「出石寺うどん屋」画像フリーサイトからお借りしています)


10:50 念願のおいずしさん参拝を終えて、霊気と冷気を感じながら下山、   
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           100段余を降りきった広場中央のお大師像の、
       「平成29年春にはゼッタイ来いよ~!」との声が聞こえた。
             ヤッパリ見送りお大師像だ!
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              門前の小僧、憚りながらこの美男の大師像を「お見送り大師像」と命名仕り候。
 
    矢野さんのおかげでスムースに参拝できた御礼を申し上げて
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10:55 足立さんと私は長浜へ、矢野さんは日土町へ、郷の峠でお別れしました。
     「ありがとうございました、また会いましょう!」
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     私だけかもしれませんが、
     若い頃から、船の見送りと峠のお別れは余韻を引いて心に残ります・・・
   
Commented by おやっさん at 2015-01-29 08:53 x
さすが縁起等の解説は詳しいですね。
やはりこのブログは資料価値が高いです。私も最初の歩き遍路のとき、教科書にして歩いていたくらいですから・・・。

出石寺行き1日2便のバスが廃止になってしまいましたので、
今回のこのプランがなければ、ここまでたどり着けたかどうかわかりません。
近道を先導していただいた矢野さんと、アッシー(?)の小僧さんに感謝です。
Commented by jh5swz at 2015-01-29 10:20
おやっさん、
 「教科書」とは、あな もったいなや!
 私の参拝は、あの通り写経お納経でなんですが、各寺の
故事来歴を調べるのが好きなんです。
 
 おやっさんが吉蔵寺から出石寺、十夜ケ橋の番外参りを
されなかったら、私にも今回のようなチャンスは無かった?
のではないかと、こちらこそ感謝しています。
Commented by ななし at 2016-08-07 10:59 x
最近出石寺さんで伺いましたが、五十年祭の御法要など、10月8日からの、「秋」と決まったそうですよ。ぜひ行きたいですね!
Commented by jh5swz at 2016-08-07 11:19
ななし様
 50年に一度の秘仏本尊の御開帳は今年の秋からとの情報ありがとうございました。
 平素ちょっと静かな別格出石寺さんですが、御開帳から開創1300年祭にかけて
たくさんの参拝が増えるといいですね。
 お参りを楽しみにしています。
Commented by ななし at 2016-08-07 16:14 x
管理人様
おっと、平成29年の10月8日以降ですから、来年秋 ですよ。
私も思わず早くなったんですかと聞きましたが。(苦笑)
Commented by jh5swz at 2016-08-07 20:26
ななし様
 「来年秋10/8以降」の件、了解致しました。
 重ねてご一報ありがとうございました。   
 
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by jh5swz | 2015-01-28 20:55 | 別格20霊場参り | Comments(6)