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別格第14番椿堂と第12番延命寺

平成29年6月16日(金)の日記(その2)
      本山寺さんの五重塔組立て見学会が終わって、
    うどん県のうどん屋を探して国道をトロトロ走っていたら
    スシローが見つかった、空腹に耐えかねて即入店。
  
    フンパツして銀の皿も交えながら一人会議、
    71番弥谷寺から曼荼羅寺・出釈迦寺・甲山寺~75番善通寺をお参りするか?
    引き返して、愛媛県東予方面の別格寺をお参りするか?
    長考一番?

    よ~し決めた!
    豊中ICから松山道を西へ(逆走ではない)25分。
    三島川之江ICからR192を徳島方面へ約10分。
    歩けば 早くて三日?

14:10 別格第14番椿堂常福寺
     2010年11月5日
土居町から三角寺を経て徳島県境まで歩いたとき
   コース途上にあるここ椿堂はお参りしたのだが、
   別格20霊場参りを意識しての初参拝ということになる。    
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   朱塗りの鐘楼門を挟んで本堂と大師堂が向かい合わせにあるこじんまりしたお寺さんで
   正式名は「邦治山不動院常福寺」と云うらしい。
   らしい?とは失礼ながら、世間では「椿堂」と呼び、又その方がよく通じる。 
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ご他聞に漏れず、ここにも弘法大師伝説。
持っていた椿の杖を突き立てて、当時この地方の流行り病を封じ込めた、
その後、その椿の杖から芽が出て大樹になったので「椿堂」。
門前のローカルにも、干ばつに苦しむ近隣の人々救わんと杖を突いたら
こんこんと水が湧き出たという48番西林寺奥之院杖の淵伝説があります。
それは地域の人々が語り継ぐ大切な文化なのでしょう。

   本堂をお参りして、振り返ると眷属を従えた火伏不動尊に睨まれた・・・
    「お前 もう そろそろ カンペなしで読経したらどないや!」。
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   大師堂は朱塗りの鐘楼門を挟んで参道の向こう側にある。
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               本坊前のベンチでしばらく、ぼんやり眺めていた朱塗りの山門。
                   88の霊場と違って静か 静か!


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  お納経所も常駐ではなく「呼び鈴」を押します、
  直ぐに奥方と思しき方が
  「ご苦労様」です、とお出ましになり、
  ゆっくり ていねいに 筆をお運びになります。

  お遍路、300円を納めて「ありがとうございました」。  
  奥方、静かに方丈へ下がられます。

  あのもの静かな奥様、
  ダンタイさんの添乗員さんが、
  ちょっとイライラっぽい人だったら気の毒だなあ~
  などと、煩悩まみれの門前は気遣ったことです・・・
  



   

   参拝が終わって、車の中で悩んだ・・・
   門前が好きなお寺の一つ別格13番仙龍寺をお参りするか?
   予定通り、別格12番延命寺へ走るか・・・

   結論は早かった、三角寺奥之院仙龍寺への荒れたへんろ道は、
   何年も前から県外複数の知り合いお遍路さんや限られた地元有志の方々が 
   小鍬や鎌、ノコギリを持ち込んで、草を刈り倒木を片付け、保守整備を続けられた甲斐もあって、
   この度、そのへんろ道が地域の宝として国史跡に指定されることになった。
   仙龍寺参りは(叶うことならば)その知り合いお遍路さんが山道へ入るとき連れて行って貰いたい。

   史跡になり取材がくると学者さんは「この道は歴史的普遍的価値だ」とインタビューにお答えになり、
   観光屋さんは世界の人々にこの自然いっぱいのへんろ道を歩いて欲しいと声高に旗をお振りになるが、
   「草刈りに行こう」と仰るお方は少ない・・・いや、無いに等しい・・・

    
    で、来た道を引き返して、三島川之江ICから土居ICまで松山道をひとっ走り。
    ICを降りてR11線を数キロ走って
15:24 別格12番延命寺着 
    朱塗り橋正面・本堂、大木の向こうが方丈?、左手鐘楼堂の奥が大師堂。
    朱い橋を渡って本堂でロウソク・お線香を灯してしていたら、
    恰幅のいいご住職さんが庭を横切りながら「お参り ご苦労様です」。
    門前、あわてて合掌一礼。
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  忘れられない一枚の写真①
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 2010年10月1日の初参拝の折り、
 今日と同じように
 本堂のお勤めを終えて、大師堂へ向うとき、
 勅使門風の本坊の玄関に活けてあった花。 

 何年経っても、妙に忘れられず
 今日は花のない玄関を立ち止まって見つめたものです。

      


  さて、このお寺さんのお納経所はこの大師堂の中にありましてな、
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 忘れられない写真②
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 2010年10月1日
の初参拝の折り、
 遍路は、大師堂屋内で納経帖に墨書きしながら
 住職がお聞きになってる目の前で般若心経を唱える。
 7年前のように大勢で唱えると気にならないが
 一人読経は度胸が要る・・・
  
 「あの~私、下手な写経でお参りしてますもんで」
 と、言い訳したら・・・   
 「あんた、お参りはそれがホントなんぞな!、
 気の済むようにお参りされるのが一番じゃけんな」、
 と云いながら、別格お納経帖をお返しいただいた。




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 「何処から来なさった」
 「松山です」
 「石手の水は大丈夫かな?」。 

 やさしいひと言とにすっかり肩の力が抜けた門前。
 「今日は本山寺さんの五重塔組立てを見学してきました」
 「おっ、そうじゃ、今日からじゃったな、どんなんやった?」
 あれこれ、ありていのまま、見学会のあらましを披瀝、
 「そう~かな、ワシも明日ヒマやったら行こ」。
     
  お参りが終わってクルマへ帰って、
  facebookからプリントしたチラシをご住職に届けた。
 「こりゃ ご丁寧にすまんな~ ありがとう ありがとう」。
  
 こころ通ったお参りができた、ような気がした。 





  お納経にも書いてあるとおり、
  ここをお参りして「いざり松」を書かないワケにはいくまい。 
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昭和43年枯れた松は幹が保存してあり、         駐車場に二代目がすくすくと成長中でした。
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<いざり松千枚通し霊符の伝説>について
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 昔、この松の木の下で足の不自由な人が
 苦しんでいるのを見た空海は、千枚通し霊符を創札し、
 霊符を一枚水に浮かべて飲ませると全快したとの伝説。

 「千枚通し」と云えば先の尖った文具を連想すのだが、
 この世界では、水に浮かべて飲むと万病に効くという
 極薄の紙のことを云うようだ。

 それはそれとして、
   せっかくご住職とお話できる時間があったのだから、
 この石柱の「準別格本山」の意味について
 お尋ねしたかったなあ~

 何でも有りの四国霊場だが、知らずにお参りするより
 知ってお参りする方が楽しいではござらぬか、
 なぁ~門前殿。



 16:00 延命寺出発、
     サラリーマンとして、自営業として、高速道など無かった時代から
     長年走りまわった在来の国道11号線を久しぶりに新居浜まで走行、
     (ご他聞に漏れず)当時盛業だったドライブインなどは軒並みさら地になっていた。
     懐かしくって町境の「関の峠」の大イチョウの木陰でいっぷく。
     新居浜ICから松山道に乗って、愛馬に鞭打って激走。 
     
     5時過ぎ帰宅。
           
       脚力ないクセに、
       「クルマ遍路は味気ないなあ~」などと感じるのは、
       道中の草花眺めたり、オッちゃんやオバちゃんに道を尋ねたり、
       犬に吼えられることなどがないからだろうかなあ~・・・

        まっ こだわることはなかろう!
       人それぞれのへんろ道があるのだから。
 
       
   

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by jh5swz | 2017-06-22 08:11 | 別格20霊場参り | Comments(0)